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批評‐外国映画タイトル‐50音別‐は、ぱ、ば、ヴァ〜はよ

JUGEMテーマ:映画の感想

☆は、ぱ、ば、ヴァ 

 

・『ハーヴェイ・ミルク』監督・製作・編集: ロバート・エプスタイン、製作:リチャード・シュミーセン、脚本:、撮影:フランシス・リード、編集:デボラ・ホフマン、音楽: マーク・アイシャム、ナレーション:ハーベイ・フィアスタイン、84年、米、87

 84年アカデミー長編記録映画賞、ドキュメンタリー、製作者は多くを語らず当時のニュース映像や後のインタビュー取材映像で語らせるところはよい。今回初めて性少数者で同性愛者のハーヴィー・ミルク(解説では実際はヴェイではなくヴィーと読むそうだ)なる人物を知った。恥ずかしながら牛乳に関する映画かと思っていた。78年サンフランシスコ市市会議員(公人)で同性愛者であることを初めて公言(カミングアウト)した彼と市長が、保守的クリスチャンで前委員のダン・ホワイトによって射殺され、わずか数年の刑期の判決が出た。そのことで同性愛者たちによる暴動が起きた事件をクライマックスとして、彼の前半生と死後の評価を描く。今後も彼の評価は高まるだろう。なおこの映画が公開された年に犯人は釈放され、翌年彼は自殺した。映画公開によりなおさら追い詰められたとも言われる。08年ショーン・ペン主演で劇映画「ミルク」が公開された。他にも社会的影響力は高まっている。

 

・「バーディ Birdy」監督:アラン・パーカー、脚本:、原作:ウィリアム・ワートン、出演:マシュー・モディーン、ニコラス・ケイジ、カレン・ヤング、84年、米、120分、 

 ’16 5/13-TV-NHK-BS120分、’16 11/10- TV-NHK-BS115分。’16 11/12。音声英語、日本語字幕。カンヌ映画祭審査員特別グランプリ。単純な反戦映画ではなく、友情、人間関係による存在確認といった普遍的テーマを感じる。ニコラス・ケイジの若い頃を初めて見た。彼を意識したのは「フェイスオフ」でジョン・トラボルタとの共演によってであり、それ以前の彼を知らない。モディーンの裸体がなまめかしいように美しくもあり、悲しくもある。鳥に心奪われ鳥の世界に生きる役のモディーンとモディーンと生きることに生きがいを持つ役のケイジ。精神を病んだ二人に幸せが再び訪れるのか引きずられていくうちにラストシーンだ。悲劇の最期かと思わせ、なんという洒落っ気、見事な切れ味。 

 

・「ハートブレイク・リッジ勝利の戦場 Heartbreak Ridge」監督/制作/出演:クリント・イーストウッド、脚本:、出演:マーシャ・メイソン、エヴェレット・マッギル、86年、米、130分、 

 ’17 7/1-TV-CM122分。吹替。多分30分カット。

 放映前の解説(白木緑、芝木幹朗)でイーストウッドが作り出したキャラ「渋茶老人」の原型だろうとのこと。この後「スペース・カウボーイ」「グラン・トリノ」で渋い年寄りを演じるようになるが、その最初に位置する。

 今回はただ腕っぷしが強い喧嘩っ早いだけではなく、マーシャ・メイソン相手に離婚された冴えない初老男を上手く演じ、更に海兵隊軍曹としてコメディとアクション、熱血軍曹物という各要素のバランスを上手く取って見事に奥行深いエンターテインメント熱血人情アクションコメディを切り開いている。この6年後に「許されざる者」を発表し天才であることを証明したが、一夜にして天才になったのではなく、職人肌としてこつこつと作品を積み上げ苦労してきた証拠であり、本作もその発展途上中の深みを増す最中の作品である。キャラ創造は一見どこぞの娯楽映画にありがちなキャラに思えるが、ここまでしっかり作られ各要素のバランス具合が見事だと引込まれて見て行ける。海兵隊員役は皆、筋肉隆々で体育会系を抜擢したようだ。イーストウッドは一見鬼軍曹役だが、管理社会を嫌い人情味もあって落ちこぼれ隊員たちに好かれるという設定のようだが、好かれる理由場面が分からない。おそらくカットされているかと思うのだが不明。周囲のキャラも面白い。特に海兵隊員が印象的だ。グラナダ侵攻をモデルにした戦闘ではちょっとできすぎな戦闘場面で、もうちょい悲壮感や失望感を味わえるとリアル感が増したろうに。

 

・「ハート・ロッカー The Hurt locker」監督:キャスリン・ビグロー、脚本:マーク・ボール、出演:ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、09年、米、131分、 

 TVNHK133分。各映画賞多数受賞。中東に派遣されたアメリカ軍の爆弾処理兵士の葛藤を描く。アメリカ軍や兵士からはあまりに軍や戦争を知らなさすぎる映画と批判している。軍は表面上もっと落ち着いて規律正しいのだろうが、そうでないと軍の統制が取れないので上意下達でしめつけるだろうからね。ただここで描かれているのは生身の若者が爆弾テロにおびえながら命がけで生きざるを得ない極限状況の心理を象徴的に描きたかったのだろう。実際とは違うだろうが、その点では実によく描けている。国際A級の映画。タイトルは俗語で棺桶の意味だそうだ。ざらざらとざらついた心理状態の兵士の内面を描き秀逸、目の前の矛盾した状況の中、それでも懸命に生きようともがく若い兵士に共感を呼ぶ。反戦などと声高に叫ばず、しかし人間存在を深く見つめようとした戦争映画の傑作。

中東派遣兵を誠実に描いた映画が待たれるところだ。

 

・「バード・デイズ・ナイト A Hard Day’s Night (ビートルズがやって来るヤア!ヤア!ヤア!)」監督:リチャード・レスター、脚本:、出演:ビートルズ、64年、米英、87分、 

 ’16 10/  -TV-NHK-BS90分、音声英語、日本語字幕。

 

・「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人 Herb and Dorothy」監督:佐々木芽生、出演:ハーバード・ヴォーゲル、ドロシー・ヴォーゲル、10年、米、87分、 

 ’15 10/30 TVNHKBS90分。’15 11/1。ドキュメンタリー映画。各映画賞多数受賞。ハーブ&ドロシー・ヴォ―ゲル夫妻、アーティスト:クリスト、ソル・ルウィット、ロバートマン・ゴールド他。NY在住の公務員の郵便局員と図書館員という平凡な庶民夫妻が、1960年代のミニマルアートやコンセプチュアルアートという当時最先端の前衛芸術に関心を示し、作家の内面にまで踏み込み理解共感を持って作家や作品に対応し、膨大な数のコレクションを成した。彼らの少ない収入で購入できアパートに持ち帰れるものという範囲でである。当時最先端アーティストも売れなかったこともあり、購入できたようだが、それだけではない。アーティスト側にしてもここまで作品や作家の内面的成長等迄知ろうとして直接会って話し合ってから購入するコレクターはいないので、一目を置かれたようだ。夫妻は働きながら大学で美術を勉強し、自身も絵筆を握ったようだ。ワシントンD.Cのナショナル・ギャラリーに寄贈されたコレクションは約4800点、これだけの数が狭いアパートにあったなんて信じられない。郵便局員時代、周辺に現代美術に共感する同僚は井中田丁だが、謙虚な人だったので、周囲には知らせないようにしていたそうだ。他人に好みを押し付けられるのは嫌だろうということである。夫妻の美術史的価値は現代美術のより良き理解者で現代美術を系統だてたコレクションで示せることである。監督は元NHK職員だったようだ。ただここまでコレクションに夢中になるというのは依存症といえるだろう。コレクターとは依存症であろう。

 

・「パーフェクト・ワールド A PERFECT WORLD」監督・出演:クリント・イーストウッド、脚本:ジョン・リー・ハンコック、出演:ケヴィン・コスナー、93年、米、138分、 

 TVCM175分。ケヴィン・コスナーの頭の良い悪人役が決まっている。人質の少年がコスナーにはまっていくという設定もよい。タイトルの意味は犯人コスナーが夢の土地アラスカを指すというが、劇中にも別の意味でこの用語が複数使われる。警官にとって都合よく犯人をすぐ捕まえることができる世界だったり、完璧だねの意味だったり。イーストウッドは脇役に徹している。設定が面白く、だからコスナーが主役を引き受けたのだろう。

 

・『パイレーツ・オブ・カリビアン』監督:ゴア・ヴァービンスキー、脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ、ジェイ・ウォルパート、製作:ジェリー・ブラッカイマー、撮影:ダリウス・ウォルスキー、編集:アーサー・シュミット、スティーヴン・E・リフキン、クレイグ・ウッド、音楽:クラウス・バデルト、ハンス・ジマー、出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジェフリー・ラッシュ、03年、米、135

 アカデミー主演男優賞ノミネート。

ディズニー映画は内容が薄く、スピードとスリリングさ、大仕掛けで見せる娯楽に徹するといえるが、ちんけでつまらないことが多い。しかしジョニー・デップの演技がよい。他の人物のキャラクターもよいせいか、何とか最後まで飽きずに見られた。多分2、3作目となるとちんけになるだろう。さわやかな終わりがよい。

 

・「白鯨 Moby Dick」監督/脚本:ジョン・ヒューストン、脚本:レイ・ブラッドベリ、原作:ハーマン・メルヴィル、出演:グレゴリー・ペック、リチャード・ベースハート、レオ・ゲン、オーソン・ウェルズ、56年、米、116分、 

 ’15 11/27- TV-CM114分。日本語吹き替え。20分ほどカットか。

 

 

 

・『博士の異常な愛情または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』監督・脚本:スタンリー・キューブリック、脚本:ピーター・ジョージ、テリー・サザーン原作:ピーター・ジョージ、出演:ピーター・セラーズ、ジョージ・C・スコット、64年、英米、93分、 

 私が選ぶ史上最高のスラップスティックコメディ。若い頃は映画館でゲラゲラ笑いをこらえるのが大変なぐらい、笑えてしょうがない映画だった。いま特に笑えないがおもしろいことは確か、不謹慎ともいえるがこのブラックな皮肉さは最高。

 

・『バグダッド・カフェ』監督・脚本:パーシー・アドロン、脚本:エレオノーレ・アドロン、出演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト、Cch・パウンダー、ジャック・パランス、クリスティーネ・カウフマン、モニカ・カローン、87年、西独米、95(108)分 

 のっけからやさぐれてすれっからしたうんざりする日常感を思い知らせ、人のふれあいに持ち込んでいく。赤の他人同士でもこうやってコミュニケーションをとってコミュニティをつくっていけるのだという、ちょいと理想的な人間関係のハッピーストーリーといえるが、斜めの画像処理(第三の男みたい、いやそれ以上)やファーストシーンの迫力といい、こんな切り口の斬新な視点の映画にはじめは唖然とした。後半はアメリカンなショービジネスな伝統的ミュージカル映画になってしまうが、この語り口のはったりにのせられて楽しく見てしまうのだ。すごいエンターテインメントだ。

 

・『淀川長治 名作映画ベスト&ベストVol.88 バグダッドの盗賊』監修: D.W.グリフィス、監督:ラオールウォルシュ、原作:エルトン・トーマス、出演:ダグラス・フェアバンクス、ジュラン・ジョンストン、上山草人、24年、米、サイレント、139

 今で言うSFX、特撮映画のはしり。アラビアン・ナイトを幻想的かつ壮大に御伽噺として描いた点はすばらしい。今から見ると少しちゃちでも、当時としては特撮は見事なものだろう。悪役のモンゴル皇帝、上山草人や中国人美人女優はうまい。

ただ気になるのは主演のダグラスはじめ大方の俳優の演技がオーバーアクションで漫画チックなのだ。年代からすると、おそらく後に日本の漫画家がこの映画等を手本に、漫画チックな動作を考えていったのだろう。その点で漫画のヒントの原点たりえるのだろう。気になる点は具体的にはダグラスがやたら両手を思い切り広げて前向きな気持ちを表す演出が多いが、一本調子で、心理面の深みがなく、子供の学芸会みたいで興趣を失う。どうもお子様向き映画なのか。対決シーンではダグラスがあっさり敵をやっつけるが、やられそうになったところをやり返すなどの工夫が欲しかった。

 

・「白熱 White Heat」監督:ラオール・ウォルシュ、脚本:、原案:、出演:ジェームズ・ギャグニー、エドモンド・オブライエン、ヴァージニア・メイヨ、49年、米、114分、 

 ’16 11/10  TVNHK115分。’16 11/12。音声英語、日本語字幕。アメリカ国立フィルム登録簿。冷酷非情なくせしてマザコンで頭痛もちの凶悪犯罪のギャングのボスの行状をこれでもかといわんばかりに、まさに白熱的に描き切った名作フィルムノワールというかアメリカ製ギャング映画の古典的名作。脚本、演出、演技どれをとっても密度、熱量、疾走感がけた違いに高い。ジェームズ・ギャグニ―の演技やアイディアはたいしたものだ。

犯罪者と捜査官の丁々発止のやり取りは息をのむ。

 

・「バス停留所 Bus Stop」監督:ジョシュア・ローガン、脚本:ジョージ・アクセルロッド、原作:ウィリアム・インジ、出演:マリリン・モンロー、ドン・マレー、56年、米、96分、 

 ’14 10/10  TVNHK95分。’15  9/21。音声英語、日本語字幕。モンローはノミネート:ゴールデングラブ賞主演女優賞だったが、59年「お熱いのがお好き」で受賞。彼女は女優として演技レッスンを受け舞台も経験したうえで出演していて、女優として上り調子である。モンローのためのノーテンキなコメディであるが、彼女のコケティッシュな魅力をうまく引き出す。彼女は酒場の歌手で、世間知らずで乱暴だが純朴な若いカウボーイに一方的に惚れられ、誘拐同然に牧場に連れられて行ってしまう役どころだ。彼女の色っぽい歌も聴けてはちゃめちゃなコメディ、ラスト近くでのしっぽりした心理劇を楽しめる。ハリウッド上質なエンターテインメントである。ドン・マレーとホープ・ラングのデビュー作にしておそらく夫婦になる出会いを提供したと思われる。

 

・「ハスラー2 The Color of Money」監督:マーティン・スコセッシ、脚本:、原作:ウォルター・テヴィス、出演:ポール・ニューマン、トム・クルーズ、86年、米、119分、 

 ’15  7/4-TV-CM-144分。音声英語、日本語字幕。多分ノーカットか。

 

 

・「八十日間世界一周 Around the World in 80 Days」監督:マイケル・アンダーソン、脚本:、原作:ジュール・ヴェルヌ、出演:デヴィッド・ニーヴン、カンティンフラス、シャーリー・マクレーン、その他多数有名俳優カメオ出演、56年、米、169分、 

 ’17  6/13-12/14-TV-NHK-BS-175分。音声英語、日本語字幕。アカデミー賞5つ(最優秀作品賞、撮影賞、編集賞、音楽賞:ヴィクター・ヤング、脚本賞)他3つノミネート。

 1956年にカラーで世界各国の風景を映している。世界冒険にして観光映画。そして有名スターがチョイ役で登場する。本作以後「カメオ出演」という言葉が普及した。スター探しを楽しめる。テーマ音楽はヴィクター・ヤング作曲「アラウンド・ザ・ワールド」であまりに知れ渡っている。エポック・メイキングな作品で映画史に残る一作。1955年頃の日本の鎌倉大仏、?平安神宮、駿河湾から見る富士山、どうも12月頃のロケか。インドの姫役のシャーリー・マクレーンは髪を黒く染め、肌もやや黒っぽい化粧をして可愛く若い。アメリカ映画でフランス人原作だが英国紳士が主役設定なのでユーモアに配慮している。1955年頃の世界の風景がよい。上品で活発なデヴィッド・ニーヴンと軽妙な軽業師カンティンフラスの主従コンビが効いている。ニーヴンは007の原作者が思い描いていたボンド像らしい。カンティンフラスは日本ではあまり知られていないが、メキシコやスペイン語圏では最も偉大なコメディアンだそうだ。

 

・「バック・トゥ・ザ・フューチャー Back to the Future」監督:脚本:ロバート・ゼメキス、脚本:、出演:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン、85年、米、116分、 

 ’18  6/27-TV-BS-CM134分。吹替。アカデミー賞(音響効果賞)。エンドクレジット省略。

 よくあるタイムマシンものといえるが、自分たち一家や同級生、周辺住民の現在と過去を甘酸っぱく描いて、ロマンティックでスリリングな話にした。各キャラ設定が際立っていて判別がつきやすい。展開はスピーディでアップテンポ、とんとん拍子に話が進み、快適で見やすい設定、スケートボードと車のチェイスがはらはらである。デロリアンがタイムマシンとしてかっこいい。スリル、サスペンス、アクション、ラヴロマン、人情譚、どれも見ていて飽きさせない。

 

・「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 Back to the Future Part供彜篤:脚本:ロバート・ゼメキス、脚本:、出演:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン、89年、米、108分、 

 ’18  7/4-TV-BS-CM124分。吹替。エンドクレジット省略。

 第2作は未来やビフとの絡みで話が膨らんでいく。話がパート1と絡んで複雑にこんがらがっていくが、そこがまたスリリングで面白さが増す。未来世界の見せ方や、その中での話の膨らませ方がハラハラドキドキである。最後はハッピーエンドという安心感もよい。

 

・「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 Back to the Future Part掘彜篤:脚本:ロバート・ゼメキス、脚本:、出演:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン、90年、米、118分、 

 ’18  7/11-TV-BS-CM134分。吹替。エンドクレジット省略。

 第3作は1895年の西部開拓時代の末期やビフが先祖の別役で登場しそれとの絡みで話が膨らんでいく。話がパート1や2と絡んでさらにこんがらがっていくが、そこがまたまたスリリングである。悪役のビフのタネンが役者である。いい個性を出し、主人公たちを引き立たせる。未来を変えるなと言っていたが、ラストには未来は自分たちで変えていけ、あるいは作って行けという、指示に変化していく。そこがハッピーエンドと重なり安心感を高める。今作は西部劇として話が膨らみ面白い。ビフ役にしてマッド・タネン役のトーマス・F・ウィルソンが芸達者であることが分かる。西部劇でおなじみの切り立ったタワーのような壁のような山が見られ、いつかどこかの西部劇で見た景色である。ここらでロケしたことがわかる。おそらくハリウッド近くの砂漠だろう。今作はアクション西部劇も付加される。機関車が本当に落下爆発する。もったいない気がする…。私は貧乏性なので。

 

・「初恋のきた道」監督:チャン・イーモウ、脚本‣原作:パオ・シー、出演:チャン・ツィイー、チャン・ハオ、99年、中、89分、 

 TVCM92分。チャン・ツィイー世界的出世作にして監督チャン・イーモウの永続的力量の高さを世界に知らしめた作品。ごく普通の農村風景の季節感のある美しさ、なんというファンタジー、ありそうでありえない夢物語だが、ここまで美しいウソなら立派。感動的で純粋な純愛映画。よくこのような映画が撮れたものだ。説得力が違う。素晴らしい名画だ。主演俳優二人もあえて少し不器用っぽく動作をしている。ツィイーが若々しく可憐だ。

 ’17 5/20-TV-BS12-CM105分。多分ノーカットか。再見。

 ベルリン映画祭銀熊賞審査員グランプリ。現在のシーンを白黒にして、回想シーンをあえてカラー画面にしてチャン・ツィイーの可憐さ:赤い服、ピンクの服、赤いマフラー、青いズボン、三つ編みの黒い長い髪を強く印象付ける。背景には農村の秋から冬の美しい自然風景:黄葉、紅葉、雪におおわれた農村。節度ある心情表現が奥ゆかしく感動させる。調理場面がおいしく見せる。

 

・「バットマン Batman」監督:ティム・バートン、脚本:、原作:ボブ・ケイン、出演:マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン、キム・ベイシンガー、89年、米、127分、 

 TV,-CM114分。かなりカットされているようだ。30分以上か。ティム・バートン特有の世界観が表れそれなりに面白い。ジョーカー役のジャック・ニコルソンが主役といっていい。彼の怪演ぶりが素晴らしい。

  ’18 8/11-TV-BS12-CM120分。字幕。20分ほどカットか。コミックやテレビ版よりはるかに仰々しく畏怖感すらある怖さのあるバットマンで、犯罪者を情け容赦なく叩きのめしていく。ハードヴァイオレンスといっていい。街並みとそこを動くバットマンカーなどの雰囲気が近未来的で重々しい。一種異様な風体にして変態的悪役たち、そして二重人格症のバットマンというがどこが二重人格なのかわからない。演出はバートン好みの「異形の愛」とやらで、お化け屋敷のような異様な世界のサスペンスアクションドラマになる。

 

・「バットマン リターンズ Batman Returns」監督:ティム・バートン、脚本:、原作:ボブ・ケイン、出演:マイケル・キートン、ミシェル・ファイファー、ダニー・デヴィート、クリストファー・ウォーケン、92年、米、126分、 

 ’18 8/18-TV-BS12-CM120分。字幕。20分ほどカットか。

 前作はジャック・ニコルソン、今作はクリストファー・ウォーケンと、アカデミー賞俳優を贅沢にキャスティング。ミシェル・ファイファーも味方だか、敵なのかわからんような位置取りにして不可思議さを増す。ダニー・デヴィートのペンギン男が哀愁とコミカルさと野心が連綿と描かれ、彼が主人公だ。ただペンギン男が核心的悪ではなく、結構コミカルで頭弱そうにキャラ設定されていて、黒幕はウォーケンだ。

 

・「バットマン フォーエヴァー Batman Forever」監督:ジョエル・シュマッカー、脚本:、原作:ボブ・ケイン、出演:ヴァル・キルマー、トミー・リー・ジョーンズ、ニコール・キッドマン、ジム・キャリー、95年、米、122分、 

 ’18 8/25-TV-BS12-CM120分。字幕。15分ほどカットか。  

  前作から一新された作品。トミー・リー・ジョーンズの悪役ははまっているし、妻を愛しているという設定がどこか泣かせるというか、純粋感があって、ちょっと違う悪役になっていて面白い。ドリュー・バリモアの役どころが面白い立ち位置になっている。ちょいと生意気なロビンが登場するのもいいが、今回やたらと新キャラが豊富すぎて、すべてのキャラを効果的に使い切れているのか心配になる。ジム・キャリーはさすがで、芸達者で、すごい存在感を出す。

 

・「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲 BatmanRobin」監督:ジョエル・シュマッカー、脚本:、原作:ボブ・ケイン、出演:ジョージ・クルーニー、アリシア・シルヴァーストーン、ユマ・サーマン、アーノルド・シュワルツェネッガー、97年、米、124分、 

 ’18 9/1-TV-BS12-CM120分。字幕。20分ほどカットか。

 悪役にシュワルツネッガーを起用したのはよい。ロビンとバットガールの登場もファミリー向けによい。ポイズン・アイビーの色仕掛けもよい。アクションではアイスホッケー、サーフィンを用いた点がよい。悪役フリーズに人情味を加味してハッピーにさせる純愛ロマンス的な面もファミリー的によかろう。ファミリー向け的に視覚効果、友情、家族愛、夫婦愛、人間関係の回復といった、いいところばかりをうまくつないでいる。色仕掛けもほどほどでよい。ただ酷評されたのは、バットスーツのデザインや撮影の仕方が、ゲイっぽいとされた。しかしそれほどとは思われない。前作と比べてとりたてて質が低いわけでもない。しかし北米では興行失敗し、次回作は監督クリストファー・ノーランによりリブートされた。より漫画チックというかおもちゃっぽさが前面に出て、ティム・バートン的おどろおどろしさから明るく子供っぽくなった。ここも酷評されるが、ファミリー的にはいいだろう。だいたいバットマン自体が子供向けヒーロー譚の漫画でしょ。ただ新キャラが豊富すぎて各キャラを効果的に使えたかという疑問は感じる。

 

・「バットマン ビギンズ Batman Begins」監督/ 脚本:クリストファー・ノーラン、脚本:、原作:ボブ・ケイン、出演:クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、リーアム・ニーソン、ケイティ・ホームズ、ゲイリー・オールドマン、渡辺謙、05年、米、141分、 

 TV,-CM145分。1520分カットか。話自体は分かりやすい勧善懲悪のヒーロー物語でちょいと物足りない。ただ次作の評価が高い。東洋風忍者アクションで首領が渡辺謙でおもろい。

 

・「ダークナイト The Dark Knight」監督/ 脚本:クリストファー・ノーラン、脚本:、原作:ボブ・ケイン、出演:クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、ヒース・レジャー、ゲイリー・オールドマン、08年、米、152分、 

 TV,-CM込分。バットマン映画としては高評価である。

 

・「ダークナイト ライジング The Dark Knight Rises」監督/ 脚本:クリストファー・ノーラン、脚本:、原作:ボブ・ケイン、出演:クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマン、12年、米英、165分、 

 TV,-CM込分。

 

・「パットン大戦車軍団 Patton」監督:フランクリン・j・シャフナー、脚本:フランシス・フォード・コッポラ、出演:ジョージ・c・スコット、カール・マルデン、70年、米、170分、 

 ’17 7/24- TV-NHK-BS-170分。日本語字幕。アカデミー賞(作品、監督、主演男優、脚本、編集、美術、録音)、ノミネート他2つ。アメリカ国立フィルム登録簿。

 ジョージ・c・スコットが異様なまでに戦争好きで勇猛果敢なパットン将軍を演じる。スコットは何度も繰り返し同じ演技ができる役者と言われ、きわめて知的計算に基づく演技をする実力者だったようだ。パットンという曲者の欠点も長所も描かれ演じられていく。決して彼をヒーローに仕立てた英雄譚ではなく、彼の人間性の良さも限界点も淡々と描き、決して断罪もしない、あるがままに彼という人間を描き、周囲の人間との絡みや社会への影響も描いていく。アメリカ製の決して反戦映画というわけではないし、かといって戦争娯楽映画というのでもないのに、よくもこれだけ淡々と現代戦争の功労者をリアルに描けたものだ。戦場場面は迫力があり、兵士姿のスタントマンのすぐ近くで爆破があり、土がスタントマンに降りかかるという臨場感抜群のギリギリスタントが多く、よく計算されている。戦争映画異色の名作だ。

 

・「波止場」監督:エリア・カザン、脚本:、原作:、出演:マーロン・ブランド、54年、米、分、 

 ご存じマーロン・ブランド初期代表作。日本語吹き替え版で見た。導入部ではセリフの激しいやりとりにリアル感を感じられず、セリフ劇的、演劇的な作風についていきにくい映画だと思ったが、幾多のアクシデントに悩める主人公に徐々に共感していける。ラスト一人立ち上がり喧嘩してぼろぼろになっても、一人歩いて働こうとする姿は迫力がある。そして周囲の皆が立ち上がる姿は力強い。

 

・「花嫁と角砂糖」監督‣脚本:レザ・ミルキャリ、脚本:、原作:、出演:11年、イラン、114分、 

 TV,NHK-115分。小津映画を思わせるような設定展開だ。他の批評欄を読むと監督は小津や黒沢が好きなのだそうだ。末娘の結婚式前日に実家に集まった大家族と親戚衆の織りなすホームドラマ人情劇といったところか。登場人物たちがしゃべくる愚痴や世間話、子供たち同士の遊び場面、親戚関係の軋轢、もろもろの中で人間関係の彩がある程度分かってくる。とそこで後半戦になり、突然大叔父さんが角砂糖を詰まらせ急死してしまう。結婚式のはずが突然葬式に早変わりで大わらわ。この中で花嫁の婿になるはずの隣の人とやらは一切出てこない。花嫁は海外行きの飛行機の切符をとってあるようなので、どうも婿は海外にいて葬式にも出てこないということか。ということは結婚式も婿なしでやるつもりだったのか。そこんところは不明。それとも婿はいたがあえて登場させなかったのか。2回見てみるとどうも隣家の人たちはいるのにあえて映像に登場させないように仕組んでいるようだ。婿はいないようだ。葬式に親戚筋の若者が兵役中に葬式の為やってくる。そして末娘が結婚する予定だったことを知る。二人は何か硬い表情で言葉少なだ。彼はさっさと兵役に戻り、あとを追う末娘は会えない。葬式後親族から結婚式をどうしようと言われ、末娘は40日の喪が終わったら私が隣家に言いに行くと明言する。そしてラストは大叔父が使っていたラジオから恋の歌が流れて、それを優しげに眺める花嫁末娘がいるのだ。ラジオは停電が終わったので鳴り出すのだが、その前に故障していて若者が直すのだ。演出演技ともたいしたものです。何らかの映画賞が取れる作品でしょう。それにしてもなんという奥ゆかしさ。秘めたる恋。前半部分で描かれるものがかなり後半部分の伏線になっていて効果的である。まるで詰将棋である。色彩が美しく緑や赤が殊に美しい。赤が美しいのはこれまた小津を思わせる。この監督天才。

 

・『母たちの村、MOOLAADE』監督・脚本:ウスマン・センベーヌ、製作:、原作:、撮影:、編集:、音楽:ボンカナ・マイガ、出演:ファトゥマタ・クリバリ、マイムナ・エレーヌ・ジャラ、サリマタ・トラオレ、アミナダ・ダオ、ドミニク・T・ゼイダ、マー・コンバオレ、04年、仏・セネガル、124

 アフリカ映画の父といわれるセンベーヌ監督が、女性器摘出(女子割礼)問題を真っ向から描いた作品で、カンヌ映画祭の「ある視点特別賞」受賞作。特典映像によりこの風習を解説する。アフリカ中部では過去2000年来女性器摘出を風習としてきた。今でもアフリカの人口8億人のうち、1億人のアフリカ人女性が受け、16000人平均で年間200万人が受けるのだそうだ。医療行為ではなく民間、特に親族により無理やり押さえつけ、麻酔などなく通常のナイフ等で行う。そのため直後の痛みだけでなく、感染症、死亡、性行為の痛み、出産時異常等を起こしやすい。施術は主に3種あり、クリトリス摘出、小陰唇を削る、大陰唇を封鎖するのだそうだ。現在、割礼といわず、女性器摘


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